【海外ドラマ】フリンジについての考察(ネタバレあり)



海外ドラマのフリンジ(シーズン1〜5)をAmazonプライムで観ました。かなりの傑作だと思いましたが、見終わったほとんどの人が感じるであろうモヤモヤ感を整理するためのメモとして記載したいと思います。
以下、ネタバレそのものなので、まだ全部観てない人は読まない方がよいかと思います。

あらすじ

後で記載予定

モヤモヤする2大要素

大きくわけると以下の2つになると思います。

①ラストシーンでのピーターとオリビア達の記憶はどうなっているのか?

②回収されなかった伏線たちはどうなった?

この2要素について書いていきたいと思います。シーズン5の終盤のオリビアのセリフに「人は物事に意味づけしようとするけど、そんなことはバカらしい」という趣旨のものがあります。おそらく製作者の意図を反映したセリフですね。「細かいことは気にせず楽しんでね」ということなんでしょうが、ドラマの内容に意味づけをしたり細かいアラ探しをするのは視聴者の楽しみのひとつだと思いますのでよしとしましょう。

ラストシーンのオリビア達の記憶はどうなってる?

2036年にウォルターとマイケル(子供の監視人)が不幸な歴史をリセットするために未来(2167年)に旅立った後、シーンはオリビアとピーターと3歳のエッタが公園にいる2015年の場面に切り替わります。以前の時間軸では、ここで監視人達の侵略が始まり爆発とともにエッタが行方不明になりますが、今回は平和なままで、3人は自宅に戻ります。そこに、ウォルターからの手紙が届きます。封筒を開けると、ウォルターにとっての神の許しのサインである白いチューリップが描かれていた。ピーターが「おやっ?」という意味深な表情をする。…ここでエンディングとなります。

さて、ラストシーンのピーターとオリビアには2015年以降の記憶があるのか?そもそもウォルターのことを覚えているのか?もし覚えていなかったら哀しいエンディングだし、ウォルターが未来にいった後も2036年の時間軸はそのまま続いているとしたら虚しくて哀しいエンディングでは?

…というのが、大多数の人がモヤモヤする理由だと思います。順番に私個人の都合良い解釈を述べていきます。

ハッピーエンドだと思いたい

タイムトリップを扱うSFに我々は子供の頃から慣れ親しんでいます。ドラえもん、バックトゥザ・フューチャー、ターミネータなどなど、それらの経験をふまえ、フリンジのラストをもっとも悲観的に捉えるとこうなります。

【バッドエンド解釈】
シーズン3のラストで時間軸の修正と同時にピーターが消えて「大人のピーターは存在しなかった」事になってしまった点を踏まえると、ウォルターも存在しなかったことになっている可能性があります。未来に行ったウォルター自身も時間軸のリセットに成功した瞬間に消滅するかピーター達との記憶が消える。ウォルターとピーターが別れをあれほど悲しんでいたのは、ただたんに会えなくなるだけではなくお互いの記憶から消えてしまうことを知っていたからだ…という仮説が成り立ちます。

この説はもっともだとは思いますが、ウォルターが出した手紙が届いている以上、すくなくとも2015年までのウォルターは修正後の時間軸でも皆の記憶とともに存在していたはずと思いたいです。もしも記憶から消えてしまっていたとしても、ピーターとオリビアは、この手紙をきっかけに(すぐにではないにしても)経験していないはずの未来の記憶を取り戻すはずだと思います。シーズン3のラストで消滅したピーターをウォルターは鏡の中で、オリビアは夢で認識しています。そんな絆のある3人になら起こりえる事だと思います。最終話のタイトル「An Enemy of fate」を「絆」と訳した翻訳者も同意見なのかなと。手紙を見たときのピーターの表情は「なにか大事なことを忘れていたのでは?」と自覚したという捉え方もできそうですし。

修正されなかった方の時間軸はどうなったか?

それでは、ウォルターとマイケルを未来に送り出した世界はその後どうなったのでしょうか?よくあるパラレルワールド説ならば、修正前の時間軸はそのまま続いていくようにも思われます。だとすると、その時間軸ではやはりエッタは生き返らないし、監視人に支配される世界も続いていくと思われます。

ただ、これについても、ウォルターとマイケルが未来でのミッションを成功させた瞬間に、シーズン5での時間軸はなかったことになり監視人侵略の分岐点である2015年に巻き戻ったと予想されます。そう予想する根拠は3つあります。1つは、ウォルターが未来に行く前に「淘汰されないよう、私とマイケルがパラドックスになる必要がある」と言っていたことにあります。難しい考察は省略しますがパラドックスを起こすことで、その時間軸そのものが修正されて、その時間軸の全員が分岐点前の時点にタイムスリップしたものとわれます。

もう1つの根拠は、シーズン2の18話「白いチューリップ」の話でのタイムスリップは、その世界全部を巻き込んでいたことです。タイムスリップから残された方の世界が並行的に続くという描き方ではありませんでした。よってシーズン5での2036年からは、その世界全員が2015年に巻き戻されたと解釈できるわけです。

3つめの根拠は、シーズン4でピーターは「元の時間軸」に帰ろうとしていましたが、そうではなく、オリビアに元の時間軸の記憶が宿ることになりました。セプテンバー(ピーター達を助けた監視人)も「これが君のオリビアだ」と言っていましたので、事実が修正された世界は元の時間軸ごと変わってしまった世界ということになるのだと思います。

ということで、ラストはハッピーエンドなんだと解釈できます。では、未回収の伏線についてはどうでしょう?

未回収の伏線や残った疑問たち

気になる未回収伏線や残った疑問はたくさんありますが主なものは下記の8点くらいでしょうか?

①シーズン3までの時間軸はどうなっちゃったの?

②あっちのオリビアが出産したヘンリーはどうなっちゃったの?

③ベルは結局悪人なのか?

④アニメ化されたオリビアの意識に出てきた悪いオッサンは結局だれ?

⑤シーズン3でニーナがこっそり量産してたクローン人間の話はどうなっちゃった?

⑥ウォルターネイトのアジア人の愛人?みたいな人の説明がいっさいない。

⑦事故で焼死したとされるウォルターの元助手の死の経緯の真相がはっきりとは語られない

⑧ウォルターは装置の部品を古代に送っているらしいが、いつ送ったのか?

これらについて、考えていきたいと思います。(続く)